ポータル戦略について

――という2年ちょっと前に書いた恥ずかしい文章を見つけたのでさらしておく。

■どのようなポータルを目指すべきか
 ○○○のポータル戦略がどういったものであるか分かりませんが、最後発である状態から「万人が集まる」「さまざまなリンクがある」「Yahoo!のような」サイトを目指すのは難しいと思われます。もしそういったサイトを構築したいのであれば、Exciteあたりを買収したほうが確実でしょう。
 将来的にそのような万人向けのポータルを目指すとしても、最初のうちは万人向けではない特定のサービスを売りとするサイトとして設計したほうが、結果的には万人が集まるものになると思われます。例としてあげられたYahoo! Japanの歴史を振り返っても、大きく発展したのは「Yahoo!オークション」という特定サービスの成功によるものが大きいからです。
 したがって、「万人が集まる」サイトを目指す前に、次のようなユーザーにメリットのあるサービスを提供していくことを推薦したいと思います。


●ユーザーはいつポータルを乗り換えるのか?
 ポータルを乗り換えたり、あるいは普段使わないポータルを利用するのは、主に次の2点だと思われます。

・より便利なサービスが提供されたとき
・友人・知人と特定のサービスを使いたいとき

 したがって、この2点を考慮したサービスを提供すべきです。
 某社は「TVに露出して有名になる」という戦略をとっていましたね。


■より便利なサービスとは?
 例えば、メールサービスにウィルスチェックやspamフィルターが付いているのは「より便利なサービス」と言えます。
 今回は以下の3点を提案します。

○検索ボックスの強化
 検索ボックス(ツール)は、ポータルサイトを利用するユーザーがほぼ必ず利用する機能であり、現在のポータルの要と言えます。
 現在はウェブサイトの検索の他に辞書等を検索できるポータルも多いですが、以下のものについては別サービスになっており、同一の検索ボックスで検索することが出来ません。

・住所から地図を検索する
・乗換案内の検索
・電話番号から会社などの検索
・郵便番号から住所の検索
・宅配便の配達状況
・etc.

 これらを検索するとき普段は別のページで検索していますが、同一箇所から検索できるようになれば利便性はかなり向上します。
 またこのサービスを提供する場合は、ウェブサイトのトップページに「利用案内」を簡単に説明し、「他サイトとは検索能力が違う」ことをアピールすることも肝要になります。
 これを書いた頃は確かまだこういうサービスは提供されてなかった。今はGoogleとかAsk.jpで提供されてるけど。
 この時イメージしてたのはAsk.jpの一発検索みたいな感じだったはず。


○表示中のページに応じた検索
 ポータルのあらゆるページに検索用ボックスを付けるようにし、そこで検索をしたときはそのページに関係する検索結果を優先して表示するようにします。
 あるページを見ているときに関連する情報を検索しようと思ったときに、それに関係するサイトを優先して表示するようになれば、利便性は向上するでしょう。

例1. 映画に関するページを表示しているときに地名を検索した場合は、その地域の映画館情報を表示する。あるいは映画に関係のあるサイトを優先的に検索する。等
例2. 証券などのページを表示しているときは、会社名や証券番号を入力することでその会社の現在の株価を表示する。あるいはその会社のIR情報のページを表示する。等
 意外にもこれはまだどこも提供してないのかな(知らないだけかも)。
 AdSenseみたいな感じでGoogleが提供するものと思ってましたよ。


○ニュースのフィルタリング
 通常は最新のニュース、あるいは多くの人が興味のあるニュースを優先してヘッドラインを掲載しています。このような表示方式では、自分に必要な情報を得るために頻繁にチェックせざるを得ず、「自分に必要な情報を得る」という観点ではコストが高すぎます。
 低コストで「自分に必要な情報を得たい」というユーザーのために、ユーザー個人に興味のあるニュースを優先して表示するような機能をつけるべきでしょう。この機能があれば1日に1回はそのニュースポータルを覗くことになり、結果として利用頻度が上がることになります。

 現在流行の兆しのあるRSSも「ニュース」として捉え、RSSで配信される内容もユーザーの興味によりランキングして表示をするようにするのも良いサービスだと思われます。
 これは今では普通にやられてるねぇ。


■コミュニケーション・ポータル
 友人・知人と共有するサービスで代表的なものは「メッセンジャー」や「グループ」サービスが挙げられます。また、いわゆる「出会い系」もこのサービスに含まれるでしょう。
 こういったものをまとめて「コミュニケーション・サービス」と捉え、○○○を「コミュニケーション・ポータル」としてアピールすることがユーザー数を増やす方策のひとつになると思われます。

 過去も現在もそしておそらくは未来も、コミュニケーションはネットワーク社会に重要な要素です。昔は「出会い系」あり、現在は「オンラインゲーム」がコミュニケーションの主流になろうとしています。また今後も新たなコミュニケーションが登場することになるでしょう。
 コミュニケーション系は結局流行ってないのかな。SNSも微妙だしね。


●コミュニケーションとは何か
 コミュニケーションとは「相手を理解すること」であり「自分を理解してもらうこと」です。そのためには

・個人のウェブサイトを見る/作る
・blog(日記)を読む/書く
・情報(データ)を共有する
・場(時間・空間・サイト)を共有する

といった方法があります。
 現在ユーザーにとってコストが高くなっているのが「ウェブサイトを作る/blogを書く」こと、つまりは「自分を理解してもらう」ことです。したがって、「自分を理解してもらう」ことが手軽にできる機能を用意することが「コミュニケーション・ポータル」として重要になってくるでしょう。
 うーん、今だとmixiがこれなのかなぁ。
だとしたら僕が望むものとはずいぶん違うものだった。


●コミュニケーションを軸にした機能
 コミュニケーションを手軽にするための機能として、以下のものを提案します。
 以下のはどれも微妙ですな。


○どこでもblog
・ニュース記事などの下にblogを書くスペース(テキストエリアボックス)を設けておき、その記事について何かコメントを書くと自動的にblogとして登録されるもの(「自分を理解してもらう」ための手軽な機能)
・ニュース記事の下にコメント(トラックバック)リストが掲載されており、その記事に対するblogを読むことができる(「相手を理解する」ための手軽な機能)
・○○○のblogユーザーが○○○のblogを読むときは、そのblogに対するトラックバック用のスペース(テキストエリアボックス)が表示され、それに記述すると自動的にblogが生成される(「自分を理解してもらう」ための手軽な機能)


○ニュースフィルタの共有
 前述したニュースフィルタ機能に、以下のような機能を追加します。これにより「ある個人が興味のあるニュースがどのようなものであるか」が簡単に分かるようになります。
・他人のニュースフィルタを利用してニュースを見る(「相手を理解する」ための手軽な機能)
・自分のニュースフィルタを他人に利用してもらう(「自分を理解してもらう」ための手軽な機能)
・他人のニュースフィルタを自分のニュースフィルタにインポートする(「情報の共有」のための手軽な機能)


○blog付きのオンラインゲーム
 オンラインゲームは、そのゲームを「一緒に遊ぶ体験」により「場の共有」をし、それがコミュニケーションになります。
 しかし現在のオンラインゲームは「時間の共有」が主体であり(これはウェブのみのゲームにも言えることです)、時間が貴重であるために非常にコストの高いものになっています。オンラインゲームは価格が問題に挙げられることが多いですが、普及しない理由はこちらのほうが大きいのです。

 そこで、ゲームに関する現在の状況や他人へのメッセージを自分のblogに手軽に書けるようになれば、blogによる場の共有が生まれ、現在とは違う状況が生まれることになるでしょう。
 そのためには各ゲームに特化したblogツールや、現在の「時間を共有する」オンラインゲームとは違ったゲームを提供していくべきでしょう。

この記事へのコメント

DJ YU
2006年04月13日 16:46
とても参考になります。

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