梅田さんが書かれた文章よりコメントのほうが面白いのだけれど、読みにくいので引用してみた。

改行(改段)は僕が行なったので、本人の意図とは違うかもしれません。
オリジナルは http://d.hatena.ne.jp/umedamochio/20060127/p1 になります。

■以下引用■
# fromdusktildawn 『
 ちょっとだけ気になった点を。
 Googleがいままで勝ちつづけて来たのは、技術が主な要因と考えてしまっていいのかな?、と。技術がイケてるのは、彼らの成功の必要条件の1つに過ぎなくって、その強さの中心は、マーケティング(日本語のマーケティングじゃなくって、欧米の大学の授業なんかで言われるマーケティングという言葉ね)なのじゃないかと思う。

 マーケティングの一要素であるブランディング戦略というのは、ようは、ユーザの心の中の心理的なポジショニングをどう確保するか、ということだけど、その意味で、Googleは多くのマーケターを「うほ。この手があったか。」とかうならせる絶妙のポジショニングをやっている。経験の浅いマーケターには、彼らがマーケティングをやっているということが理解できないほど飛び抜けてハイセンス。
 ビジネス戦略も、従来のビジネス戦略が陳腐に見えてしまうほど、ハイセンスで、時代の流れをよく読んでいて、ドンピシャリに的確で、めちゃイケてる。腕利きの交渉人が、自分が交渉しているということを相手に勘づかせないように交渉できるのと同じように、よくできたビジネス戦略は、はじめそれがビジネス戦略に見えないものなので。
 よく、MSが「技術に強いマーケティング会社」と言われることがあるけど、それは、単にMSが他から技術を買ってくることがよくあるから、という意味もあるけど、同時にそのマーケティングがいやらしいほどに(というか、正直にいうと、くやしいほどに(笑))巧妙で的確だからだというのが頭にあるから。

 「技術が自社開発であるかどうか」ということと、その会社の強さの中心が技術であるということは、基本的には別の話ではないかと。これは、技術にかぎらず、食品などでも同じだけど。
 技術にしろ食品にしろ、それを自社開発する会社でも、その商品自体のコア開発力を強さの中心にして成功するパターン(お菓子で言えば、他社にはだせないような味の菓子を製造できる)と、そのマーケティングを強さの中心にして成功するパターン(お菓子で言えば、極上の味を一口分だけ売るとか、オフィス・グリコのように富山の薬売型ビジネスモデルを採用するとか、お菓子よりもおまけの部分の方がむしろ価値があるとか)の両方がある。

 ユーザがGoogleを使っているのは、Googleのテクノロジーが優れているからというよりもむしろ、スポンサーの都合で検索結果の順位が操作されていない、もしくは、そういう印象形成に成功しているから、とか、必要以上にウザイ広告の出し方をしない、もしくは、しないという印象形成に成功しているからとか、その他、ユーザから搾取しようとするYahooやAmazonなどのダースベーダー企業とは違うんだ、というルークスカイウォーカーブランディング戦略(Sunマイクロやヒトラーがやったのと同じ手口。MSをダースベーダー化することで、Javaをルークスカイウォーカー化するマーケティングスタイル。仮想敵を作ることで、人々を味方につけ、忠誠心を勝ち取ることができる。)をやったからとか。
 とくに、舌を巻いたのが、とにかく消費者を洗脳して無理やり商品を買わせようとするマーケティングに辟易している人々の心理や時代の空気を的確に読み、巧妙にそこにつけ込んでいる点。

 というわけで、オイラ的には、Googleって、技術という見せ方をしているマーケティングの会社じゃないの? という疑問があるのでした。


# kenn 『
 梅田さんの論点も(いつも通り)明快ですが、同時にfromdusktildawnさんのご意見は技術サイドに身を置く立場からみても重要な指摘だと思います。
 しかし一方、fromdusktildawnさんがおっしゃっているような「くやしいほどに巧妙な」模倣不可能なほどクールなマーケティングというのは、知能指数の高いビジネス畑の連中が理性的な手続きで狙ってできるようなものではなく、もっと痛烈な欲望というか、たとえば腹黒いスーツ連中が腹黒く仕切っている世界に対する違和感の表明みたいな動機が必要で、それってスーツな人たちには突き抜けられない壁なんですよ。
 従って、Google的マーケとやらが成立するためには、内部に「俺たち技術志向だよな」というスノビッシュなプライドがあることが絶対的な必要条件であることも確かでしょう。

 そういう意味で、「技術という見せ方をしているマーケティングの会社」という指摘は、おそらく正しいのですが、結局は「本気で技術志向を極めた結果、それがマーケティングになることもある」という逆さまの論理と同値ともいえます。そして、経営にとって実践的価値をもつ言明は後者でしょう。
 Seth Gordinも皮肉たっぷりにいってますが、「~と思わせておいて実は~」みたいな陰謀論は率直に言って無意味で、というのも、真意を隠したnon-authenticなマーケティング戦略は末端社員の深層心理までインプリできない=結局長続きしない=成功しませんから、結局「Googleは徹底して技術志向の会社である(あった)」という梅田さんの論が正しい、に一票。
(最近のVideo StoreとかPackとかにはえーーー何じゃこれ、ついにGoogleでさえDark Sideに落ちる時期がきたか、という思いに駆られてちょっと悲しいですが。)

# kenn 『
 まーつまり、陰謀的というか誰かが書いたシナリオ通りに世の中を動そうと仕掛けをするマーケティングは二流、裏表ナシに本気でぶっとんだことをやった結果、世の中をぐらぐら動かして、後世の連中に「あれは陰謀or戦略だったんだ」と深読みさせてしまうのが一流、ということで。
 つまり最良のマーケティングは結果論でしかない(=マーケティングという意識で何かをやったわけではない)だと思います。

つづく

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